star dust

IT業界で働くアラサーの徒然雑記。邦画・ミステリ小説の感想や、抑うつ記録など。

「カメラを止めるな!」を観てきた

「最近話題になってるらしいよ」と夫から聞き、その矢先にスッキリでも特集されているのを観て、気になっていた「カメラを止めるな!」。二度観たくなるとか、伏線回収がすごいとか、ミステリ好きの私に刺さりまくる評判も見かけ、ネタバレを調べるのを必死に我慢して、観に行ってきました。

以下ネタバレ感想。結論から言うと、面白かった!笑えて感心する映画体験。
まだ観ていなくて興味のある方は、ネタバレを見ずに映画館に行ってくださいね。前知識がない方が絶対に楽しめる作品です。

 ゾンビもので、37分のワンカット。それだけでも「えっすごい」と思うのに、本作はそのワンカットの制作過程を含めてコメディとして完成させちゃっていました。

映画が始まって、まず最初に流れるのは37分ワンカットのゾンビものムービー。そのあと、時間を巻き戻して、その制作風景(といっても本当の制作風景じゃないよ、これももちろんストーリーの一部です)を見せて行きます。

最初のゾンビものを観たときに、「あれ?」とか「なんだこれ?」と不思議に思う箇所が複数あったんだよね。その違和感の正体が、制作風景を辿る中で少しずつ暗示されていき、そしてワンカット撮影の裏側が明かされるシーンで、どんどん回収されていくのです。ここがもうすごいコメディ。映画館のお客さんたちみんな声を出して笑っているような。前評判で「笑える」と言うのを聞いたとき、「地獄でなぜ悪い」で(個人的に)体験したような「シリアスな笑い」の類かなと思ってたんですが、ど直球コメディでしたね。

そして同時に、モノづくりの裏側で巻き起こるドタバタ、ひいてはその強い情熱を感じさせてもらえるのがとても良かった。私は大学の時、百数十人で数ヶ月かけて一つのインスタレーション作品を作るサークルに所属していたのですが、その時のことを思い出しました。次々と襲いくるトラブル、それをどうにかこうにか乗り越えて作品を完成させた時の達成感といったら。また、その作品に対してお客さんから反響をもらえた時の感慨深さといったら。この映画内の撮影スタッフたちも、そしてこの映画を作成した実際のスタッフさんたちも、それらを強く強く感じているんじゃないかなあと想像しました。それって多分、モノづくりの醍醐味だよなあ。

ストーリーに関して言うと、個人的に特に笑ったのは、撮影が始まった途端に豹変する監督。めっちゃ鬱屈溜まってたんだなあと。あと、監督の奥さんの大暴走。飛び蹴りが炸裂するたびに映画館が湧いてました。

エンドロールが終わった後、お客さんから自然と拍手が巻き起こったのもとても良かった。
大満足の映画体験でした。素敵なエンターテイメントに感謝!